L'Étranger 1911120

たまさかの外出記録として

船を見詰める

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姫路からの帰途、舞子公園駅で下車した。

往路、山陽電車の車窓から眺めた明石海峡大橋

夕暮れの光の中で、もう一度見ておきたくなった。

(続き)

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対岸まで続くトラス構造にも目が行くが、

手前の、窓のない巨大なコンクリートの塊にも、ただ圧倒される。

橋が出来る前、たまたま淡路岩屋の民宿に泊まることになった時、

同様のものが既にその近くの海岸に出来ていた。

それがあの松帆の浦だった。

思えば震災の2年前。

私にとっては楽しい夏の夕暮れの記憶だ。

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橋を撮っていて、

ふと、傍にいる人たちにも目を向けた。

当然ながら、大多数は橋を見つめていたり、

或いは、カメラを向けて覗き込んだりしているのだが、

明らかに別方向を向いている人たちがいる。

どうやら、その視線の向こうにあるのは、船らしい。

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この時間、晴れた日の陽気はすっかり失せてしまい、海風が冷たかった。

それでも、近づいてくる船、遠ざかっていく船を

ただ見つめている。

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それぞれ何を思いながら眺めていたのだろうか。

私は、船乗りだった父のことや、

定家ゆかりの名称を持つ保養所に招待してくれた義父のことを考えていた。

船は不思議な乗り物だ。

巨大なスクリューを回して海を渡る移動手段でありながら、

生活を営む大きな建築物でもある。

目の前を行く船には、ここからは見えなくても、

乗り組んでいる人たちがいる。

その中に、遠い日の誰かの顔があってもおかしくはない。

わざわざ、この巨大な橋の傍に来ていながら

船を眺めている人達は、

私と同じような思いに浸っていたのだろうか。