(続き)
元町駅を起点とする撮影会のシリーズ。これが最終回。
海岸通のレトロビルでの撮影を終えて、もう一か所行ってみたいところがあったが、時間的に厳しく、適当に写しながら元町駅へ戻ることにした。場所は旧居留地。世界的に有名なブランドの店舗が並んでいる。
この最終回に登場する建物は海岸通から旧居留地へ向かう角地にある。柱廊が立ち並ぶ一階部分は portico のようなオープンスペース。天候が悪くなった時のために頭に入れていた場所。吹き抜けの様子を紹介する個人ブログ等も参考にしたのだが、意外にも屋内での撮影は不可とのこと。そんなこととは知らず、写していて注意を受けた。ここは退散するしかない。最後になって、みさんにも詰まらない思いをさせてしまった。
元町駅に向かいながら横目で眺めたウィンドウディスプレイの豪華な美しさ。あんな画像を撮っているカメラマンやデザイナーは、どんな人なのか。みさんと別れた後、理髪店に行き、二枚刈りに近い長さにしてもらいながら、あれこれ考えていた。どう考えても私には無縁の華やかな世界が目に浮かぶ。
遅い昼食は、いつものようにおでん定食と濁り酒のつもりでいたが、立ち飲み屋で教えてもらった店を思い出した。朝飲み、昼飲みが出来て、夕方6時には店仕舞いだという。日替わりの昼食は、柚子味噌に漬けた鯖の網焼き。それを角の湯割りで食べた。珍しいですね_と割烹着姿の女将に声を掛けられた。ウィスキーをお湯で割るという注文の仕方、それをお茶代わりにして味噌汁、御飯を食べているのが…黙って、にっこりと微笑むしかなかった。
旧居留地を思い出しながら、少しばかり贅沢をした気分になれた。