(続き)
栄町通から海岸通にあるレトロビルへ移動。
今日の主たる目的地。
この近くに何回か来る用があったため前を通ったことはあるが、中に入ってみたのは下調べの時が初めて。管理人の方に、近々もう一度撮影しに来ることを伝えると、いつでもどうぞとのこと。映画の撮影にも使われたことがあり、震災にもびくともしなかったのだそうだ。穏やかな目元と優しい言葉遣いが心に残った。
この日、挨拶に行くと、もっと明かりを点けましょうかと尋ねられた。私の好みとしては、これで十分だった。朝、ふと思いついて、みさんにコンビニでお菓子を買ってきてもらい、手渡してもらった。甘いものが苦手でなければ良いのだが…。そんな気持ちもあったが、みさんのような人から手渡されて受け取らない人はいないだろう。袋の中を確かめなかったので、何が入っていたのか分からない。女の子セレクションなのだそうだ。関西では一般的なレトロな駄菓子があればと思いリクエストしたが、残念ながらその店には無かった。チョコレートが入っていたら嬉しいなと考えた所為なのか、撮影しながら頭の中ではマレーネ・ディートリヒの歌声や、加藤和彦のうたかたのオペラの歌詞が響いていた。
影 光とその影
という歌い出しのところや
She didn't see me
She didn't kiss me
She was just there
というリフレインが心地良かった。