L'Étranger 1911120

たまさかの外出記録として

to the sea Two

boh boh KOBE

(続き)

Nomyn
Dreamscape
https://soundcloud.com/nomyn/dreamscape

ストランドビーストを見た帰り、神戸港へ行ってみたくなった。
先日来 boh boh KOBE の運航を調べていた。
神戸港巡りは、小学生の時に、神戸通船の小さな遊覧船に乗せてもらったのが最後。誰と一緒だったのか思い出せない。
沖待ちの船に向かう通船は、今でもあるのだろうか。艀溜まりで擦れ合っていた古タイヤの防舷材が懐かしい。
嘗ての神戸港に比べると、海面に浮かぶゴミは目立たず、少しは綺麗になったようだ。しかし、川崎のドックには潜水艦が並び、三菱にも陸揚げされた潜水艦の姿があった。4階建てのビルに相当する高さだとか…。それが海中に潜る様を想うと、妙に薄ら寒い。私を含めて多くの人が、アナウンスに促されて、そちらへカメラを向けていたが、何を想ったか知りたくなった。
カモメの飛ぶ姿から神戸灯台を思い出し、和田岬当りに目を凝らしてみた。見覚えのある二つ並んだタンクの間。辛うじて小さな塔を見つける。あんなに小さなものでも夜になれば光を放ち、確かな目印になるということか。
明石海峡大橋を背にして、4檣バーク型の帆船が微かに見えた。それが、静かで優雅な姿として映るのは、部外者の勝手な思い込みに過ぎないのだが。反航する小さなタンカーも美しかった。神戸空港を飛び立つ緑の飛行機も。乗りたいとは思わないのに、広々とした滑走路と駐機中の飛行機が間近に見られるのなら、いつか行ってみよう_と考えていた。幻の美しい風景が浮かんで見えた。
神戸大橋手前、ポートターミナルに停泊中の客船は、9月の初めには出港とのこと。これも、近くまで行って眺めてみたいが、この夏は、もうないだろうとも思った。港巡りの遊覧船に次に乗るのはいつなのか。それが分からないのと同じように。来年かもしれないし、今日のような気まぐれは、もう二度とないようにも思えてくる。
boh boh KOBE が双胴船だったことに下船して初めて気づいた。確かカタマランと呼んでいたな_船の模型を作っていた頃の名称が甦ってカメラを向けた。
あのまま帰らず、来てみて良かった。
軽く飲んで帰ることにした。