L'Étranger 1911120

たまさかの外出記録として

to the sea One

大阪南港ATC Gallery/テオ・ヤンセン

(続き)

bgmusiclab
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この日、予定がキャンセルになった。
出発直前の連絡であったため、前日に準備を終えていたリュックを担ぎ、何食わぬ顔で家は出たのだけれど。
電車の中で、テオ・ヤンセン展へ行くことを思いついた。
7月9日~9月25日までの会期。もっと早くに行くはずだったが、引籠っていたため、終わりが近づいているのさえ頭には無かった。
行ってみて分かったのは、ストランド・ビーストが、プラスチック主体で組み上げられていたこと。笹や篠のようなものが使用されていると考えてしまったのは、東洋人ならではのバイアスが働いたのか。
作者は大学では物理を学び、その後、造形芸術家になったそうだが、緻密な数式を具現化したような作品ではなかった。非対称の形や歪んだ円、結束バンドの様子など、手仕事の雰囲気が随所に残っていた。それを温かいと見るか、緩いと感じるかは、見る人による。
ただ本当の魅力は、風が強いというオランダの海岸にて、これが動く様を見なければ、伝わらない気がした。せめて、自然光の入る場所に設置して欲しかった。有料で入るギャラリー内部よりも、吹き抜けの空間に置かれていたものの方が、作品本来の存在感が出て、美しかった。
天井照明が一様に並ぶだけの狭い空間はビーストには似合わない。
外へ出て、青空の下のさんふらわあを目にしたら、私の勝手な思いが、さらに強くなった。