L'Étranger 1911120

たまさかの外出記録として

I don't call on them to come back. TWO

Sky

(続き)

Gold-Tiger Music
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https://soundcloud.com/gold-tiger-music/sweet-memories

8月の残りは僅か。
殆ど引籠り状態でも、季節柄、墓参りは済ませた。
暮れかかる時分には、骨伝導イヤホンを装着して、小一時間ばかり空を見て歩く。
このスライドは、主として、androidphone からグーグルドライブへ移動していた画像を集めて作った。
夕陽に映える東の空の積乱雲。
光と翳と水と空気の造形物。
見惚れながら、お気に入りの古い歌を聴いていた。
歌声の半分は既に故人。中学・高校生の頃、好きだった10歳ばかり上のシンガーたちだが、もうそんなふうになっていく。歳を考えれば、それも、ムベナルカナ。
古い歌を聴き、懐旧の思いに溺れがちだが、いろんなことを忘れている。都合の悪いことから先に忘れているのではないか。妻に詰られ、ただ謝るしかなかった。
しかし、苦しいことや辛いことを全部忘れてしまえるなら、どんなに楽か。
思い出したくても思い出せないこと。その中には、きっと大切にしたいと思う時間があったはずだ。
いろんなことを忘れて、毎日は過ぎて行く。
中学校の同窓会の案内状を、今までどおり送付されるのを希望するかどうか。それを尋ねる封書が届いた。
連絡先不明者や物故者の中に会ってみたい名前がある一方で、幹事様、主要メンバーの名前から昔の顔が思い浮かばない。大体、これまでに一度か二度、出席した程度。懐かしい仲間でも、何年も会わなければ、共通の話題は限られてしまう。居たか居ないか元より影の薄い、ぼやけた私などは、もう案内を辞退する他ないだろう。
空の彼方の雲の中へ消えてしまいたくなっていた。