(続き)
バラ園ハーブ園から出口へ向かう。
ここは下見の時から気になっていた場所。木々の影が重なる中にあって、そこだけがスポットライトを当てたように明るくなっている。曇天の11月末に撮影した画像を一枚だけ挿入しているのだが、見直してみれば、晴れた日よりも、そちらの方が私の好みだった。この場所に、美しい人が立てば Dryad に見えるはずだ。そんなことを下見の時から考えていた。
最近、デートカメラマンという厭な言葉を知った。言葉の呪縛なのか、以来、居心地の悪さが拭えない。娘の歳の半分ぐらいでしかない女性にカメラを向けている我が身を思い描いてみる。私が夢中になっているのは一体何なのか。Dryad に誘われた森の中で時間を忘れてしまうのは、美しい少年であり、美しい男性であったはずだ。
どちらでもない私は、毛嫌いされている莫迦な男たちと然して変わらない。ただ凹むばかりだ。