(続き)
この日の撮影の最初のシリーズ。
大阪メトロ長居駅からヤンマースタジアムへ向かう。せっかくなのでセレッソ大阪のロゴを入れてみた。先日の京セラドーム大阪バファローズ同様、どちらのチームにも、或いはサッカー野球それぞれに対しても、特別な思い入れはない。それでもプロスポーツチームの持っているロゴの魅力には目を瞠る。いろんな場所に掲げられ、応援グッズにも利用されるものであるから優秀なデザイナーの仕事なのだろう。興味関心の無い者の目を引きつけるデザインに、どれくらいの対価が支払われているのだろうか。そんな漠とした疑問を抱きながらシャッターを切っていた。
考えてみたら、私はこれまで旗印とは無縁で生きてきた。高校生の最初の体育祭で、学級旗を作ろうという声が出た時にも、それがどんな意味を持つのか、遂に理解できなかったのを思い出す。何かの下に参集するという感覚を持ち合わせていなかったのだろう。そんな人間には当然ながら居心地の良い集団生活は存在しない。若い人間が徒党を組んで何かにあたるというストーリーに憧れる気持ちは、若い頃から今に至るまで、変わらないのに。
この日、ファインダーの向こうの美しい人は、私には遠い世界の、セレッソのサポーターを演じて見せてくれた。