(続き)
このシリーズも、普段撮影している人形写真のような雰囲気がする。
表情を消すための呪文を唱えてもらった上に、
(何のことはない。暗算してみてくださいとお願いしただけ。ただ、小さい頃に算盤を習っていたとのことなので、算盤を走らせて遊んでいただけだった私と同じ効果は期待できない)
レンズが 45mm f1.8。広い空間を意識して、ズームレンズも用意したはずだったのに、リュックの中から出てきたもう一本はマクロレンズだった。今回、人形写真の雰囲気が強いのは私の好みなのかもしれないが、レンズの所為だという後悔もある。もっと離れて写せばよいのに。そう思われる向きもあるだろう。しかし、そうすれば今度は、彼女が消えてしまいそうな妙な不安を覚える。これも、いつもの習性から来ているのだろう。立たせている人形がバランスを崩しても、すぐに手が届くところにいたいという…。