L'Étranger 1911120

たまさかの外出記録として

Requiem on a cloudy day

f:id:glitteringrivergreen:20191123123749j:plain

神戸東遊園地の銅像

前にこれを見たのは50年くらい昔なのか。

モノクロの、不機嫌そうな顔つきをした私の写真が残っている。

(続き)

f:id:glitteringrivergreen:20191123123726j:plain

f:id:glitteringrivergreen:20191123123731j:plain

この日はコンクール MIDOW 展の初日。

今年の会場はデザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)。

かつての神戸生糸検査所の建物を神戸市が再利用したとのこと。

神戸税関は道路の向かい側に建っていて、

そっちの印象が強いのは、新港のどこかに停泊中だった貨物船から

三宮へ向かってぶらぶら歩いたことを覚えているから。

下船した父。

母と妹、一家四人の遠い日の記憶だ。

f:id:glitteringrivergreen:20191123123721j:plain

上の画像の、この辺りを臨港線が走っていた。

大きな船が泊まる突堤から歩いて街中へ行けるのは神戸港だけだ

何故か誇らしげだった両親の声が甦る。

f:id:glitteringrivergreen:20191123123736j:plain

人形展の撮影は、やはり不可となっていた。

幾つか目を引く作品もあったが、

幸か不幸か、購入したいと思うものは見つけられなかった。

アラビク・オーナー森内氏と少しばかり言葉を交わし、

談笑中のCOOL氏を遠くから拝んで、会場を出た。

f:id:glitteringrivergreen:20191123123715j:plain

噴水だったところに花時計を移築したのか。

そう思いながらもう一度銅像を見上げる。

f:id:glitteringrivergreen:20191123123740j:plain

f:id:glitteringrivergreen:20191123123745j:plain

たまにしか日本にいない父が、

いつもあんなに酔いつぶれて、荒れていたのは何故なのか

私には理解できなかった。

さっきまで機嫌が良かったのに、今度は何が原因なのか

そう思うことばかりだった。

50年近く前の、この銅像の傍、噴水のところに妹と並んでいる写真は

当然、父が撮影したものだ。

不機嫌そうにレンズを見返している表情の裏から

何とも言えない不安感が透けて見える。

  • f:id:glitteringrivergreen:20191123123755j:plain
  • f:id:glitteringrivergreen:20191123123800j:plain
  • f:id:glitteringrivergreen:20191123123806j:plain
  • f:id:glitteringrivergreen:20191123123811j:plain
  • f:id:glitteringrivergreen:20191123123817j:plain

例によって、架空のポートレート撮影を思い描きながら歩いていた。

東遊園地へ来ることは、この先、滅多にないだろうし、

ルミナリエの準備が始まっていたことでも、その思いは強くなる。

  • f:id:glitteringrivergreen:20191123123654j:plain
  • f:id:glitteringrivergreen:20191123123701j:plain
  • f:id:glitteringrivergreen:20191123123705j:plain
  • f:id:glitteringrivergreen:20191123123710j:plain

私が目にするのは、精々こんな光景。

雑踏の中で、亡き人へ想いを馳せることなど、私には不可能な芸当だ。

f:id:glitteringrivergreen:20191123123828j:plain

f:id:glitteringrivergreen:20191123123823j:plain

地下街へ降りるところに

花梨の木があった。

実が付いているのを見たのは初めてだ。

f:id:glitteringrivergreen:20191123123832j:plain

物憂げな美しい人を写してみたくなる。