L'Étranger 異邦人 の2回目。
人工島の中を少しだけ北へ移動している。
西に傾き始めた木漏れ日の緑が鮮やかで、
近くに海があるようには思えない。
(続き)
ヘッドホンを片耳に当てて、遠い目をしてくれた。
私は、その様子を見ながら
貝殻を耳に当てると、波の音がする_と教えられた子供の頃を思い出した。
私には波の音とは思えず、
ただゴーという風の音が聞こえただけだったが。
普段の私が撮影している画像を事前に見てきたので、
今日は人形になりきります_と言ってくれた。
しかし、人形は決して無表情ではない。
光の当たり方や撮影者の気分によって
いろんな表情になることを話すと、
彼女に似ている人形があるとのこと。
びっくりして、その画像を見せていただいた。
似ているのかどうか分からない。
が、眼差しに特徴のある人形だった。
実は、私が持っている人形の中にも彼女に似ているものがある。
その場で、画像を探し、確認してもらうことに。
何かに似ている、似ていないは主観的なものだから、
彼女が本当のところどんな気持ちがしたのか分からない。
確かに!と言って、画像を何枚もスクロールして見詰めてはいたけれど。
そんな話をしながら
カメラを覗き込んで、
撮り終えた画像をチェックしてもらうのが
だんだんと楽しくなっていた。