新しいカメラの試し撮りに出かけた。場所は先日投稿した神戸電鉄長田駅。中華義荘を訪ねてみたくなった。
（続き）
正式名称は神阪中華義荘。客死した華僑を本国で葬るまでの仮埋葬所として始まったと聞いた。その望郷の念の強さだけでなく、墓地にまで国籍条項のような区別があったことにも驚く。
旧林田区長田村の急峻な斜面。嘗ては今よりももっと海が近くに見えたのではないか。
帰りは丸山駅側へ抜けることにした。ここも東側へ来たのは初めて。人通りの無い静かな住宅地を下って駅の方へ向かう。
長田駅も丸山駅も無人駅。有人駅は全線どれぐらい残っているのか。閑静な住宅地であったとしても、夜遅くに若い女性が一人で乗降するのは心細い。職場の知人もマイカー通勤していて、飲み会があるときには、街中からタクシーで帰るしかないと言っていたのを思い出す。
私が通勤に使っていた駅も最後は無人駅になった。早朝、数人の若い男たちが電車を降りてプラットホームを端まで歩き、そこから外へ飛び降りるのを目撃した。通勤途中、乗換駅改札口の駅員に通報したのだが、その後監視カメラが設置され、フェンスが高くなっただけ。誰もいない駅舎、派出所。駅前の売店のような店も潰れてしまった。……
緑が生い茂る崖下には赤錆びたトタン屋根。
丸山駅・鵯越駅間の谷間に点在していたトタン囲いの集落を思い出す。
阪神淡路の震災の後も、変わりなく建っていたのだが、新たな宅地開発の名のもとに全て撤去された。しかし、計画はどこかで頓挫してしまい、ブルドーザーを入れて雛壇状に整地された谷は、再び葛で埋め尽くされている。もはや誰も足を踏み入れることができない。
住んでいた人達は今はどうしているのだろうか。
Ashot Danielyan - Anastasia
https://soundcloud.com/ashot-danielyan/ashot-danielyan-anastasia?in=ashot-danielyan/sets/intimate-piano-movements
